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ラーバってアンティークジュエリーならではの素材です。
フニクリ・フニクラの歌にもあるポンペイのべェスヴィオス火山の溶岩なのですから。
なぜ溶岩を彫ったのでしょう?
カメオって元々紀元前のモノで、ルネッサンスの頃にギリシャ・ローマの見直しがありカメオが復活したのです。
そういった紀元前の復興趣味がおおもとにあり、そうしたローマの遺跡を訪れた貴族や王族の高級なお土産がカメオだったのです。
お土産物として普通の素材でなくベスヴィオス火山の溶岩を彫ったものを使うことで印象深く購入を訴えたのでしょう。
ラーバを彫った人はこれで生計を立てたのですからなんとか買ってほしいので、様々な工夫をする訳です。
ラーバには白・黒・茶・緑みを帯びたもの・それらの中の様々な色があるので今流行のマルチカラーのようにいろんな色のラーバを並べたり、ギリシャ神話の女神づくしや仮面劇のマスクを並べたものなど土地のいわれの意味深いものを題材にしたりしています。
紀元前から取ったこれらのモチーフの力強さはアンティークならではです。
同じカメオの素材であるシェルのカメオに悲しいくらい彫りの粗悪なものがありますが、ラーバに出来不出来があっても、そこまで粗悪な彫りのモノはあまり見ないように思います。
それどころか驚くべき彫りの良さのモノもあります。
上からも、下からも、斜めで見ても、どこから見てもピントが合うというか、バランスが良いのです。
また個人的には黒と白に良いものが多い気がいたします。
貨幣であったメダルの肖像なども彫刻です。
カメオの中にもそういったものからの影響も見られます。
カメオは彫刻ですので価値は彫りの良さだと思います。
彫りの悪いストーンカメオより彫りの良いシェルカメオを選びますし、ダイヤのフレームがなくとも素晴らしい彫りのカメオを選んできました。
そう考えるとラーバって彫りの良さの割に評価が低いように思います。
ラーバの弱点はそのもろさです。
アンティークジュエリーには様々な素材が使われていますが、素材としてはラーバが一番もろいのではないでしょうか?
何せ衣擦れで削れてしまうのですから。
ですからエタラージュでブレスレットをお求めの方には長袖のブラウスでお使いになられないようにとまで言ってしまいます。
さすがに毎日お使いになられないようでしたら問題ないのでしょうが。
ガラスが割れるという弱さをもって美しいように、ラーバのもろさがいとおしく思えます。
アンティークを本当に愛してくださる方ならこの気持ち、解っていただけると思います。
私のおすすめのひとつです。