ホテル内で営業しているせいでしょうか、よく敷居が高いなどと言われることがあります。
長くこの仕事をしていますのでそりゃミュージアムピースだってあります。
でも私が好きなのは愛すべき小品です。
小品とは何でしょう。
私なりに簡単に言えば『えらそうでない』です。
ミュージアムピースの多くが権威の象徴なもので、道具としてそういうものが必要な方もいらっしゃるのでしょう。
でも,私が好きなのは愛すべき小品。
映画などでも莫大な費用をかけて賞を総なめにしたものより私が好きなのは愛すべき小品。
でも,小品なら何でも良い訳ではありません。
ですから愛すべき小品。
では何が愛せるか。
精緻な仕事。
見えない部分に施された仕事。
可愛いモチーフ。
全体のバランス。
小ささ。
儚さ。
いろんな愛すべきものがあります。
残念なのはそうした愛すべき部分は判る人にしか判らないということです。
そこが良いんですけどね。
豪華なものは観たなりに現実離れした値段だろうなぁとある意味判ります。
愛すべきものを評価できるにはある種の感受性が必要です。
愛すべきものが持つものは現実離れしたロマンですから。
誤解の無いように記しますが,ミュージアムピースにも愛すべきものもあります。
王様はいつでも王冠をかぶっている訳ではありません。
誰もが知る権威の頂点にある方は身につけるものが違ってきます。
以前に観ました王族の方の持ち物で城一つに値すると言われたものは、豪華な宝石をちりばめたものでなく、小さく精緻な象牙彫りのものでした。
それにはどんな豪華な宝飾品よりロマンを感じました。
エタラージュで扱うのはそういったロマンのあるものです。
ですから決して敷居の高いお店ではありません。
お気軽にお越し下さい。